「何だよ、この展開……」

「別に良いんじゃないですか? あの人満更でもないようですし」


さっさと手元にあった箱に手を入れて次の対戦相手を決める沢谷を眺めつつ。

ある意味評価すべき適応力の良さにクラスメイト達も驚きを隠せなかった。沢谷はあんな奴だったのか、と。

それは誰もが見る初めての沢谷の姿であったと言う。


「えーっと……これ、何て読むんだっけ? 普通科1年の……みあま? さんと、特別科1年の湯浅君」

「美甘(みかも)です! 確かにそう読む人もいますし、よく間違えられますけど……」

「ああ、悪かった。みかもさん、だね」


次の対戦は1年生同士の対決。

蛍人はまだ残っていた里緒との対決ではないことに胸をなでおろした。