「いや、あの、その……」


何て言えば良いか分からず先程の怒鳴った時の勢いはどこかへ行ってしまった郁人。

互いに何か言い合うと言う事も出来なさそうだ、と勝手に判断した匡平はさっさと歌う曲を聞き、

先攻を郁人からにしてさっさと対決を行いだす。


「第3対決先攻、この対戦が終わったら意中の相手への告白を決意している渡会から」


対戦後の告白を郁人は全く考えていない。つまりは匡平のでたらめと言う事になる。

それを知らないギャラリーの生徒達は本当に郁人がそうする気なんだと信じ込み、好奇の目で彼を見ている。

それが返って郁人の気持ちを取りみだすきっかけとなってしまう。