これではどちらが先輩でどちらが後輩なのかがよく分からない。

そんな黒河は匡平に最近失恋された事を暴露されるが、それでもやはり動じず。

淡々とバラード系の曲をキチンと歌いあげた。その結果、見事に旭に買ってしまうのであった。

その点数差はわずかに2点。意外にも互角な接戦であった。


「やっぱり負けたとはいえ、これは惜しかったかも」


最初から全く旭を当てにしていなかったメンバーのほとんどが、誰もが奏と同じ事を思ったに違いない。

悔しそうにする旭。誰も彼を責める事は出来なかった。あれが彼の精一杯だったからだ。


「遠山。後は俺達4人でなんとかするから。負けた事を気にしてんじゃねえ」


柚太がそんな旭を励ませば。珍しく佐和がオロオロとしている。

それに気付いた咲が声を掛けようとするが、その答えはすぐに分かる事となる。