「宮野さん。言ったでしょ? ボク達4人が勝てば良いだけの話だって。
それに負けじゃない。引き分けなんだから。誰も君を責めてはいない。だから落ち込まないで?」

「そういえば、先輩はこれが見えていたんですか?」

「いいや?」

「そうですか……」


咲は奏の答えに更に悔しさをあらわにした。

もし自分が勝ったならば、新たに1歩踏み出そうと考えていたのだ。

名字ではなく名前で呼ぶ勇気を貰えるんじゃないかと彼女は思っていた。結果、それも叶わなくなり。

奏を少し驚かせようと言うプランはお預けになった。