「……初戦から引き分けってないだろ。ま、良いか。じゃあ次」


まるで空気読まず、な匡平である。“それだけかよ”と大ブーイングを食らうもそれを無視し、

あっさりと第1対決を終わらせれば再びそれぞれの手を抽選箱に手を突っ込む。

席に戻った咲は改めて5人から“よくやった”と彼女をたたえる。

だが当の咲は勝てなかった事に相当悔しそうな様子であった。

せめて1点だけでも上げる事が出来たならば、どんなに良かった事か。

だからなのだろう。咲はどれだけ褒められても、どれだけ気にするなと言われても。

ただ申し訳なさからひたすらに謝り続けるだけだった。