その宮代の歌はまともに歌う方だと分かっていた普通科の生徒会メンバーからすれば、

想像通りの歌声であった。可もなければ不可もなく。平平凡凡と言う言葉が1番正しいのかもしれない。

歌い終えた後の宮代はもうこれで自分の番が終わった、と清々しい表情。

自分の秘密がバラされた事はどうでも良くなってしまっているようだ。


「さあ、気になる点数は……!?」


壇上に設置されていた大画面に表示された点数は83点。そこそこ良い点数である。

咲が宮代に勝つには84点を取らなければならないと言う事になる訳であり。

最低でも引き分けとなる83点の獲得は必須となった。82点より下は許されない。

いくら交際予定である愛しの奏が負けても良いと言ってはいるものの、

咲の心中は勝たなければと言う気持ちでいっぱいである。

歌い終えた宮代が去った壇上の中心へ、再び咲は舞い戻った。