翌日、卒業式とは変わらぬ穏やかな晴れた日。絶好のカラオケ日和である。

体育館内でやる為関係ないと言えば関係はないが。

昨晩にカラオケ対決のルールを聞かされた12人はそれぞれの想いを胸に秘めつつ、一夜を明かす。

すっきりとよく睡眠がとれた者から、あまり眠れなかった者までそれは様々だ。

壇上に立つ彼らの表情もまた様々で、中でも佐和が1番リラックスしているようだった。


「今から理事長協賛、最初で最後の普通科特別科各生徒会によるカラオケ対決を開催する!」


午後1時。そう宣誓するのは匡平。司会は全ての元凶である彼が勝手にやっている。

彼が理事長だと知った会場にいた全員は、

そんな気分でなくてもテンションを無理矢理挙げて盛り上げようと必死になる。

下手をすれば退学にもなりかねないからだ。

あの卒業式の時の厳かな空気はどこへやら。体育館は熱気に包まれた。