「……で、最後になったが。明日のカラオケ対決。先生も楽しみにしているからな」


折角の感動がこの一言で台無しとなってしまったのであった。

少しでもその事を忘れていたであろう柚太は、大きな溜息を吐いた。

“ちょっとは忘れさせて欲しかった”と。

暖かく穏やかな風が吹き、桜の花びらが舞う中。

一部の生徒は別の意味で涙の卒業式は無事に終わって行くのであった。