翌日、いよいよ卒業式。

学校関係者全員と、卒業生の保護者で体育館はいっぱいとなった。

卒業生を代表して柚太が証書を貰う事となっていたが、

柚太の頭の中は翌日の事でいっぱいだったせいかどこかぎこちない。

本番前のリハーサルの時はキビキビしっかり出来ていたのに、だ。

その理由を知らない保護者達はきっとこう思っているに違いないだろう。

“最後の大舞台だから緊張してしまっているのだ”と。そうしてそれを微笑ましく見ているのであった。

同様に卒業生代表として答辞を読む郁人、

在校生代表として送辞を読む里緒もまた柚太と同じ状態になる。