まさかここまで事が大きくなろうとは。理事長の言う事だ。逆らう事は出来ない。

それでもどうしてもそれだけが嫌な全員は、必死になって断る理由を見付けようとする。



「全校生徒の前で、って……学校が休みの日にそんな対決を見に来る奴らなんて……」

「安心しろ。その辺りは幾らでもどうにかなる」

「わ、悪ノリして自分達にも歌わせろ、って人が来たら……」

「それはこちらでSP要員を準備しよう」

「いや、そこまでしなくても……気持ちだけで充分ありがたいです」

「遠慮はするな。これぞ青春。素晴らしい事じゃないか。君達には最高の環境でやってもらいたいんだよ」


……もうこの人に何を言っても無駄だ。そう悟った全員が拒む事を諦めた。