「それで、その理事長さんが何か? 話は聞かせてもらったとか何とか言っていましたけど」

「そうだ、そうだった!! 今の話。実に面白そうじゃないか」


柚太が本題を聞き出す。すると匡平は思い出したかのように語り出した。

今の話……特別科生徒会と普通科生徒会の卒業記念のカラオケ対決の事だ。

匡平は偵察も兼ねて案内役に鴻島先生を付けて、遊びに来ていた。

そこで偶然通りかかった際、カラオケ対決の話が聞こえて来たと言う。

それを聞いた匡平はある面白い事を思い付く。その“面白い事”とは……。


「どうせなら全校生徒の前でやろうじゃないか。設備は私が用意しよう。思う存分やりなさい」


彼らにとっては思いもよらぬハプニングだっただろう。