「蛍人、お前……」

「ある意味成長したと言っても良いだろうな。賢くなったじゃないか」

「でも湯浅君。いきなりやったら驚くよ?」

「あ、あの……皆さんそんな事よりも……」

「里緒ちゃぁーん!!」


男子達が蛍人を褒めたりしているそばで、女子2人は里緒の安否を確認しようと立ち上がった。

真っ先に佐和がドアを開ければ、うずくまり額を押さえている里緒の姿が飛び込んで来た。

佐和の“大丈夫?”と言う問い掛けに、ようやく佐和達2人を見上げた里緒。

その目にはうっすら涙のようなものが浮かんでいる。どうやら相当痛かったようだ。

だからなのかすぐに里緒はまた俯いてしまった。