だが里緒が1歩生徒会室へと足を踏み入れようとしたその瞬間には……。


「あ」


バタリと再びドアが閉まり、里緒が激突したであろう鈍い音がその向こう側から聞こえてくる。

その原因は自然現象とかそんな物ではなく。蛍人が里緒を見た即座に力を使ったからであった。

証拠に彼の息遣いは荒く、怯えた表情になっていた。


「あの人がここに来たらすぐにこうすれば良かったんだ……何で気付かなかったんだろう」


一同の視線が里緒の姿が見えたドアから、力を使った蛍人へと向けられる。