「ど、どうしましょう……里緒さんこのまま1人きりの世界に…………」

「んーとね……気が済むまでやらせておけば良いんじゃないかな?」


ある意味珍しくまともな佐和の発言に、咲は余計に焦ってしまう。

だが佐和はそれにおかまいなくどんどん言葉を続けていく。


「里緒ちゃんも、ユズも、郁ちゃんも。それで納得がいくならそうさせておけば良い。
……とはいえ、里緒ちゃんは何の事を言っているのかがさっぱりなんだよなあ。
郁ちゃんは誰にフラれたんだろう……?」


“郁人は誰にフラれたのか”。その言葉だけが、1人の世界に入っていた里緒の耳に飛び込んで来た。