「……何のって聞いているんだ。何の続きか言って貰おうか?」


“それを言ってくれたら答えない事もない”と付け加え、

郁人は納得できていない柚太に対し、冷静に言う。


「だからっ! 佐和が俺の事を……だな…………」


聞きたい事は分かっているのに、

柚太はそれを言葉にしようとすると何故か恥ずかしくなり言葉を詰まらせてしまう。


「ああ、それか」


淡々と無表情のままの郁人は柚太の手を振り払うと、傍のベッドに腰掛ける。

遠くから聞こえる吹奏楽部の演奏や、運動部の掛け声を聞きながら郁人はやや不機嫌そうに答える。