「……で、続きを聞かせてもらおうか」

「何の」


佐和を寮の前まで送って行き、それから自分達の部屋へと戻って言った2人。

もう邪魔者はいないからこれでゆっくりと聞きたい事を思う存分に聞ける。

コートをハンガーにかけている郁人の後姿に、柚太はすかさず忘れない内に聞き出そうとするも。

郁人は呆けたように話をはぐらかそうとする。

今度は騙されないぞと言わんばかりに柚太はかけ終わった郁人の腕を掴み、

郁人の身体を自身の方向に向けさせ、ジっと無言で睨みつけた。

睨まれた郁人は特にひるむ事もなく。同様にジッと柚太を睨んだ。