「何それ!? ワタシ達、ちょっと変わっているだけでヤンキーとかじゃないのに」


その理由をそばで聞いていた佐和は、プリプリと怒る。

だが怒る理由が何処か微妙にずれているせいか、郁人の言った言葉の意味をきちんと理解はしていないに違いない。


「……まあ、理由はどうであれ早く乗れたなんてラッキーだったじゃない」


まだ帰って来なくて良かったのに。

そう心の中では思いつつも郁人は正反対の言葉を佐和達に向けて言う。

本心をここで佐和に行ってしまえば、佐和が傷つく事は目に見えて分かっていたからだ。


「うんっ! じゃあ、お土産だけ見たら帰ろうか」


満足げな佐和はもう悔いはないと言わんばかりにハキハキした口調でそう言えば、

郁人はもう少しでパレードの時間だと言う事を教える。

それを見てから帰ってもまだ遅くはない事を告げるも……。