「……どういう事だ?」

「さあ?」


気付けばあと数回で自分達の番に回って来る所までやってきた2人。

それでも何故こんなにも道を譲られたのかが分からなかった。

結局佐和は“皆、郁ちゃんの事を心配してくれたんだよ”と言う理由で自己解決。

柚太は相変わらず、乗った後になっても理由が分からないままだった。


「……なあ、何でだと思う? お前に聞くのは不服だと思うが」

「あー……そうだね、きっとあれだね。
君達が僕を鬼のような形相で救護室まで連れて行ったせいじゃないかな」


悩み続ける柚太に、サラリと棒読みに近い状態で答える郁人。

先程自分も似たような事を経験したから言える答えであろう。