“そう言う事”と佐和は言う。柚太はそれにやや納得がいかなかったし、

すぐにでも郁人に何があったかをまた聞き出したい気持ちでいっぱいであった。

だがここで佐和を単独行動にさせたら、

佐和が何をしでかすかだけではなく変な人に絡まれる可能性も少なからずある。

結局は佐和の“保護者”として来たのだから、“保護者”の役目は果たさなければならないのだ。


(後で見てろよ、郁人……)


遠ざかる郁人の姿をチラッと見てから、柚太はそのまま佐和と共に目的の場所へと向かった。