「ユズも郁ちゃんも……恥ずかしくないよ?」


1人だと寂しいと思ったのか、佐和は2人共がダメでもせめてどちらかは一緒に来て欲しいと懇願する。

すると若いカップル1組がメリーゴーランドの列に並びだしたではないか。何の抵抗もなく。

それを見た佐和は更にそれを理由にどちらかに来て欲しい事を言う。


「ほら、恥ずかしくなんかないでしょ?」

「いやあれはラブラブだからなあ…………」


両想いであれば恥ずかしさもどこかへ消えてしまうだろう。

だが柚太は分からないが郁人は片思い。

片思いの相手と一緒に乗る事はとても嬉しい事ではあるかもしれないが、抵抗があったのだ。