「なあ、郁人……ここってオカマの幽霊が出るとかって噂あったか?」

「そ、そんなの僕に聞かないでよ! それより、明らかに僕達狙われているよね?」

<ホゥラ、坊ヤ達。オネエサント一緒ニ、良イ事シマショ?>


暗がりでもよく分かるオカマの華麗なウインクを見届けた所で、

一瞬の間が空いたかと思えば次の瞬間。


「来るなぁぁぁぁぁぁぁ!! 寄るなぁぁぁ!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


それぞれに身の危険を感じた男2人は、それぞれガラにもなく悲鳴を上げたかと思えば、

一緒になってゴール地点まで全力で走り出す。

無我夢中になっていたせいか、その後何が出て来たのかなんて2人は覚えていなかった。