「……宮野さん、本当に平気なの?」

「何を言っているんですか!! 行きましょう!」


蛍人の言葉にも強気で返し、勢い良く歩き出す咲。

その後を蛍人がゆっくりと歩き出す。咲が迷うことなく進む姿に特に疑問を抱く事もなく。

蛍人がいると言う事もあってか、咲は前回よりもすんなりと病室へと着く事が出来た。

だがやはり緊張している事だけは何1つ変わる事はなく。


「じゃあ、行きますよ?」

「うん?」


まるでRPGのラスボスにでも挑むかのよう。咲はゆっくりとその扉を開けた。

だが中は妙に静かすぎる。誰もいないんじゃないかと疑うほどに。

どこかに行ってしまったのかと2人は思いながら、奏がいる方向を見てみれば。