「……なるほど、確かにそれならいけるかもしれないね」

「って言うか、男子寮に入りたい女の子は皆この手で侵入していますよ? どうです?」

(寮母さん、きっと分かって入れているんだろうなあ……全員が成功しているとか言う辺り)


佐和は何の疑いもなくそれに賛成すると、里緒は満面の笑みを浮かべ今決まった事を改めて口にした。


「じゃあ、決まりねっ! 佐和ちゃん先輩が会長達でさっちゃんが榊君ね!」

「はい……って、えええええええ!?」


咲は思わず動揺してしまう。二手に分かれる事はもう分かりきっていた事ではあったし、

確実に佐和が柚太達の所で自分が奏の所だと言う事も分かっていた。

だが改めてそれを知らされたせいもあってか、今咲の胸の高鳴りは最高潮である。