「なあ、蛍人。お前の兄貴はこの学院の先生だって言っていたよな?
特別科には合宿だけ参加していて、あとは全く俺達とは無縁って言う」

「はい」

「お前、さっき“自分みたいに兄妹に”とか何とか言っていたよな?」

「……言いましたね」


旭は理解する。そして恐らくは蛍人と旭、2人のやり取りを聞いていた咲も。

柚太や郁人が寝込んだ大きな要因である普通科生徒会顧問の風邪。

その顧問が貰ったと思わしきその風邪菌の出所。それはつまり……。


「全ての原因はお前かぁぁぁぁー!!」


蛍人の手を振り払おうと腕を振りながら、旭は蛍人に怒鳴り散らす。

それに対し蛍人は振り払われないように必死に旭の腕を掴むのであった。