6日後。未だにそこに奏の姿はなかった。この日までに退院する事はなかったようだ。

奏だけではない。もう1人、姿の見えない人物がいる。


「ねえ、3人とも。こう言う時はどうすれば良いと思う? 今日は折角の約束の日なのに」


放課後の生徒会室で佐和が妙に深刻そうな表情をしている。

それに対し、話を振られた内の1人は同じように一緒になって困り、

1人はただ無表情のまま佐和を見つめ返し、1人は佐和ではなくそのいない人物に対して溜息を吐いた。


「何でこんな時に……こんな時に…………」


声をフルフル震わせながら、佐和が珍しく不機嫌そう。

少しの沈黙の後、唐突に彼女は雄叫びをあげるかのように嘆きだす。