「きょ、今日はちょっと力がお休みでな」

「それ理由になっていませんけど。某有名人みたいな発言しても駄目です」


柚太は更に焦り出した。この場をどう乗り切るべきか、と。

このままでは本当に去年の会長の二の舞になってしまう。悩んでいたその時だった。


「あ、古瀬会長こぉーんな所でゴマ売っていたんだね?」

「先輩。売れるのはゴマじゃなくて油ですから……」


柚太の背後から聞こえてきたのは佐和と蛍人の声であった。


「皆ごめんねー、今からちょっとだけ会長を借りて行きます。借りても返さないけどね」

「会長、ちょっと相談があります。此処では話せないので別の場所でも」