思わず口にしてしまった“好き”と言う言葉。まさかあんな場面で出て来るなんて思わなかったのだろう。

そんな時、カバンがなにやら震えている。中にしまってあった携帯のバイブが鳴っていたのだ。

携帯を取り出すのも嫌だった咲だったが、あまりにも長く震え続けるので気が進まない中、

携帯を取り出し誰からなのかを確認する。

着信の数、5回。その5回全てが里緒からであった。


「……この人、特別科に入ってもおかしくないような」


行けと言うメールと言い、あまりにもタイミングが絶妙すぎる。

咲は里緒もエスパーか何かの1種なんじゃないかと疑いつつも、まずはバスの時刻表を確認する。

次のバスまでまだ10分程待ち時間がある事を確認してから、咲は嫌々ながらも里緒に電話をかけた。