今はそっとしておくべきじゃないのかと、顔を見ないまま引き返す事も考えだす。
しかしここまで来たならば一目でも顔を見なければ……再び扉の前で悩みだす咲の目の前に現れたのは……。
「あら、榊君の彼女?」
「……!? い、いえ……っ! 彼女とかそんなのじゃ……!!」
「良いのよ、隠さなくて。ほら、早く行ってあげなさい?」
「だから、違……って、な、何を……」
丁度そばを通りかかった20代半ばくらいの看護師であった。
彼女は咲を奏の恋人と勘違いし、なかなか入れないでいる咲を半ば強引に病室へと入れる。
赤面をしたまま病室に無理矢理入れられてしまった咲の目に飛び込んで来たのは、
“ああ、やっぱり”とどこか納得したような表情で咲を迎え入れる奏の姿。
左腕から伸びている点滴の管が妙に痛々しく感じられた。
しかしここまで来たならば一目でも顔を見なければ……再び扉の前で悩みだす咲の目の前に現れたのは……。
「あら、榊君の彼女?」
「……!? い、いえ……っ! 彼女とかそんなのじゃ……!!」
「良いのよ、隠さなくて。ほら、早く行ってあげなさい?」
「だから、違……って、な、何を……」
丁度そばを通りかかった20代半ばくらいの看護師であった。
彼女は咲を奏の恋人と勘違いし、なかなか入れないでいる咲を半ば強引に病室へと入れる。
赤面をしたまま病室に無理矢理入れられてしまった咲の目に飛び込んで来たのは、
“ああ、やっぱり”とどこか納得したような表情で咲を迎え入れる奏の姿。
左腕から伸びている点滴の管が妙に痛々しく感じられた。