その咳が鎮まったかと思えば、奏は再び弱弱しい声で喋り出す。
咲はその声を聞こうと必死になって耳を扉にくっつける。
周りから見れば怪しい人だと思われているに違いないだろう。
「今まで見た物……全部、見たとおりだったから」
「よく漫画とかで“過去は変えられないけど、未来は変えられる”ってあるのを知らないか?
未来なんて変えようと思えば幾らでも……」
「皆、同じ事を言う……簡単に言わないでよ。
変えた結果、罰が当たるんじゃないかって不安なのに。だからボクはこの力が……」
そう言ってまた咳き込む奏。片方は“分かったからそれ以上喋るな”と言い、
また二言三言程、言葉を発したかと思えば……。
咲はその声を聞こうと必死になって耳を扉にくっつける。
周りから見れば怪しい人だと思われているに違いないだろう。
「今まで見た物……全部、見たとおりだったから」
「よく漫画とかで“過去は変えられないけど、未来は変えられる”ってあるのを知らないか?
未来なんて変えようと思えば幾らでも……」
「皆、同じ事を言う……簡単に言わないでよ。
変えた結果、罰が当たるんじゃないかって不安なのに。だからボクはこの力が……」
そう言ってまた咳き込む奏。片方は“分かったからそれ以上喋るな”と言い、
また二言三言程、言葉を発したかと思えば……。