「取り憑いていると気配薄くなるからな……そういえば」


1人で沢谷は納得する。お侍の時は降霊したわずかな瞬間だけ、まだ水城には憑いていなかった。

泰一はそのわずかな瞬間を感じ取ったのだろう。

よく分からないと言う表情をしている他の全員には特に説明する事もせず。彼はそのまま話を進めた。


「まだ天に昇る前で良かったな。とりあえずはこうして再会出来たんだから」


そうこうしている間にも2人だけの世界に入り込んでしまっている寒河江兄妹。

憑かれてしまっている柚太と旭以外はその感動の再会を、じっと見届けていた。