「うむ……妹を探していたが、なかなか見付からないから天に昇ると言っていたな。
もしかしたら既に妹も天に召されているかもしれない、とも。
死因まで知る訳ないだろう。聞いたら拙者まで悲しくなる」


そうか、と残念がるのは柚太だけではなくその場にいた全員がそうだった。

かなこは今もなお泣き続けているせいか、

泰一が天に召されているかもしれないと言う事実はまだ耳には届いていないようだ。


「沢谷君、もう良いよ。水城君が大変になる前にお願い」


もう聞く事もないと佐和が勝手に判断し、沢谷にお侍を元の場所に返す事を頼む。

お侍はそれだけの為に呼ばれた事に対してやや納得のいかない様子ではあった物の。