「兄様は……どこで何をしているのか等、ご存知ですか?
寒河江泰一、という名前なのですが……小屋で貴方と会話をしたとお聞きしています」
旭の中にいたかなこであった。お侍は必死なその眼差しを見て、思考を張り巡らせる。
するとお侍はまるで閃いたかのように、手をポンと叩きその会話をした人物について語り出す。
「泰一……ああ、確かにあの者とは話をした。家族の事は自身の許嫁と妹の事ばかりであったな。
許嫁がいるなんて羨ましい話だと思って聞いたものだ……拙者にはそう呼べる者もいなかったからな」
かなこは目を見開いた。許嫁の事よりも、自分の事を泰一が話をしていた事に驚いたのだ。
お侍が、泰一が語った妹……つまりかなこの事を話す度に、かなこは旭の姿でボロボロと涙を零すのであった。
寒河江泰一、という名前なのですが……小屋で貴方と会話をしたとお聞きしています」
旭の中にいたかなこであった。お侍は必死なその眼差しを見て、思考を張り巡らせる。
するとお侍はまるで閃いたかのように、手をポンと叩きその会話をした人物について語り出す。
「泰一……ああ、確かにあの者とは話をした。家族の事は自身の許嫁と妹の事ばかりであったな。
許嫁がいるなんて羨ましい話だと思って聞いたものだ……拙者にはそう呼べる者もいなかったからな」
かなこは目を見開いた。許嫁の事よりも、自分の事を泰一が話をしていた事に驚いたのだ。
お侍が、泰一が語った妹……つまりかなこの事を話す度に、かなこは旭の姿でボロボロと涙を零すのであった。