その先を詰まらせてしまった旭は立ち上がり、足の痛みを堪えながらゆっくりとその場から立ち去る。

誰も何も声を掛ける事が出来ずにその後ろ姿を見送った。


「何か言ってあげるべきだったんじゃなかったかな……」


ポツリ、と佐和が寂しそうに呟く。

それに真っ先に反応したのは郁人だった。


「だからと言って安易に“気にし過ぎだ”と言う事も出来ない。
今はこのままの方が良いという状況でもないけれども……」


頭を悩ませているのは彼らだけではない。柚太も咲も蛍人も里緒も悩んでいた。

このままにしておきたい気持ちもあれば、このままに出来ない気持ちもある。

その2つを見事に解消する方法は何1つ見つからない。