その会話をチラッと聞いた蛍人は柚太と佐和にもその話を聞くように、と珍しく促した。

里緒から全てを聞いた3人は状況をようやく理解する。


「遠山。この状況を考えてみろ。もうその侍に頼るしか方法はないだろ?
何故そこまで意地を張る。お前、降霊術とか出来る訳でもないんだろう?」

「分かっています……でも、でも……!!」


問い詰める柚太を、先程までとは違い不安そうな目で見つめる旭。

頼れない事情が何かありそうだと言う事だけは察知する。


「でも、何だよ?」

「それは……」

「その理由を聞こうとしたら佐和ちゃん先輩が出て来て、結局聞けずじまいでしたからねえ」