「せ、先輩こそ……人の事言えるんですか? 見るからに単独行動ですって感じですけど?」


話を変えるかのように旭は佐和に聞く。そこで佐和はようやく柚太と郁人がいない事に気付いた。


「あれ!? 2人ともどこ行っちゃったの?」

「まさかとは思いますが、迷子ですか?」

「そんな事はないと思うんだけどな……」


旭のあながち間違っていない発言に、佐和は苦笑を浮かべながら誤魔化すかのよう。

それぞれ意味は違うが焦る2人。

そうはしていられないと我に返り、真っ先にその場を去ろうとした旭ではあった……が。


「佐和ぁー……ど、どこだぁ……」


近くから息を切らしながら佐和の名を呼ぶ柚太の声が聞こえて来る。

その声は徐々に大きさを増して行き、気付いた時には……。