空を見上げれば、キラキラと宝石のように輝く星達に佐和は感動の言葉を漏らす。

それに同意する郁人……と、ここまでは郁人からすればロマンチックなムードだったのかもしれない。

柚太のそのムードをぶち壊すかのような発言に、佐和の左側から郁人は無言で柚太を睨みつけた。


「……どうせ“佐和ちゃんの方が、星よりも綺麗だよ”とでも思ったんだろ?
しかもそれを言う勇気もなさそうだから、今代わりに言ってやった。ありがたいと思え」

「な、ん……だと?」


どうやら柚太の言っていた言葉は真実のようで、郁人は思わず怒るどころか赤面をしてしまった。

しかし暗闇の中だと言う事もあってか、佐和は郁人が赤面をしている事が分からなかった。