里緒の予想通り、そして恐らくは奏が想定した範囲内だろう。

旭は単独行動を繰り広げていた。正しくはかなこもいるのだから、単独行動と言うと少し違うのかもしれない。

出会う幽霊に手当たり次第に泰一の居所を聞くも、全員“知らない”の一点張り。

見付からない事にイライラとしだした旭は近くの木を蹴り飛ばし、八つ当たりをしだした。

本当はここで死んだんじゃなく別の場所で死んだのではないか?

もしくは既に成仏をして天へと召されているのではないか? 旭はそう考えるようになった。


<絶対ニ、天国ニナンカ行ッテハイナイ!! ダッテ、マダココニイルッテ感ジルカラ>


旭の思っていた事が口にしなくても中にいたかなこに伝わったようだ。

その力強い言葉に旭はかなこが嘘を言っているようにも聞こえなかった。