授業の休憩時間、ほぼ全員が旭の所へと詰め寄った。

いつ取り憑かれたのか、女性の幽霊に取り憑かれてどんな気持ちか、

早くお祓いをしたらどうなのか等……まるで波のように旭に質問が押し寄せる。

旭は答える気もなくただ“お祓いはまだしない”とだけしか言わなかった。

今すぐにここでお祓いをするような事があれば、旭は確実にかなこと共に三途の川行き決定だろう。


「本当に自分自身でなんとか出来るの?」

「出来るって言ったら出来るんです! 何度言わせたら気が済むんですか」

「やっぱり凄いな。学院一ともなると、ね」

「……っ!? 残りの授業やら実践はサボる……適当にごまかしておいて貰えると助かる」


目を見開き、“学院一”と言う言葉に妙に反応する旭。

そう言うと突然フラリと立ち上がり、勉強部屋を後にした。