「ええっと、その、あの……これはですね……」

「遠山……何かがお前の中にいるのは分かるが、本当に自分自身で出来るんだな?」

「あ、当たり前じゃないですか!?」


先生の言葉にもやはりムキになって反論する旭。


「そうか……だが。遠山、それから峰村(みねむら)も。授業はキチンと聞こうな?」


何を言っても聞かなさそうな旭の反応を見た先生はそれ以上咎める事もせず、授業を再開させた。

着席した旭はホワイトボードに書かれた授業内容を見ようともせず、物思いにふける。


(ここの連中には頼っちゃ駄目なんだ……絶対に)


机の上に置いた握りしめた両手を震わせ、少しだけ辛そうな表情をした。