「えーっと……何があったかは知らないが。悪い事をしたと言う事だけは分かった。すまない」


ようやく目を覚まし幽霊と入れ替わった旭。

朝だと言うのに少しお疲れ気味な奏と、ただぼんやりとしている蛍人にお詫びをする。

彼らにだけではない。2度の悲鳴を聞いて駆けつけた先生やら、両サイドの隣人にも同じように謝罪する。

「怖い夢を見て目が覚めて1回、更にそれを思い出してまた1回叫んでしまいました。迷惑かけてすみませんでした」


旭の中の幽霊が奏や蛍人の半裸を見て悲鳴を上げた、とは言えない事もなかった。

彼は高い霊能力を持っている事は周知の事だからである。

しかし旭はそれを伏せ、ごまかした。そうする理由が事実を知る2人には分からなかった。


「いや、男の半裸を見て悲鳴上げたとか言ったらオレは変態扱いされる事は見え見えだったから」


蛍人が真実を言わない理由を聞いた時に返ってきた答えがこれだ。