実はキチンと聞いていた蛍人が横から口を挟む。

“そうでもないよ”と奏は蛍人の突然の発言に驚きつつも、それを否定した。


「宮野さんのは使いたい時に使えて、確実に相手の気持ちを読み取る事が出来る。
でもボクは使いたい時に使える訳でもなければ、確実と言う訳でもない。
……未来は変わりやすいからね。まだ1度もそれに遭遇した事はないけど」


“要は訓練の仕方が少し違うから、その他に振り分けられちゃったんですね?”と、

咲は無礼を言っている事を覚悟で恐る恐る奏に尋ねれば、奏はあっさりとそれを認める。


「もし使いたい時に使える便利な力だったら、宮野さんと一緒だったかもしれないけどね」


その言葉は淡々としていて、どこか寂しそうにも聞こえた。

長々と同じような事を何度も繰り返していた先生の説明も、丁度このタイミングで終わる。