まだ意識がはっきりしていないらしく、柚太の問い掛けに対して矛盾な答えが返ってくる。


(寝てからそんな時間経っていない筈なのに、何この寝惚けっぷりは)


柚太が蛍人を改めておかしな奴だと感じた瞬間でもあった。

徐々に意識が覚醒して来たのか蛍人は、やっと目の前にいる人物を柚太と特定した。


「先輩……すみません。久々に安心して眠れたので、つい。
気を張り詰めていたりするともう少し頭が冴えるんですけど……何か用事でも?」


柚太は蛍人のその言葉に対し、明日伝えようとしていた事を全て蛍人に打ち明けた。

里緒の下りを聞いた時の蛍人の反応は、予想通りやや怯えたようではあった。が。