奏もどこか納得のいかないような感じではあったが、間違った事は言っていないと感じ反論はしなかった。


「それじゃ、お前達も疲れているだろう? しっかり休めよ」


その言葉を最後に柚太は旭と奏と別れ、2人から聞き出した蛍人の部屋へと歩を進めた。

程なくして辿り着いた蛍人の部屋。恐る恐る扉を開けてみれば、音1つしない静かな空間がそこには広がっていた。

どうやらこの部屋には寝ている蛍人以外誰もいないようだ。

柚太がカバンを近くの勉強机に置いてそのまま立ち去ろうとしたその時、

何か背後に気配を感じた柚太は恐る恐る振り向く。

するとベッドから起き上がった寝ぼけ眼の蛍人が、とろんとした瞳で見つめていた。


「起こしたか? 気分はどうだ? まだ苦しいか?」

「……えーと、おはようございます? ご飯はまだですか?」