「そうか。寝たか……だったら、荷物置いたらすぐに帰らないとな」

「生徒会同士の交流を兼ねた外出って……いつの間にそんな事に」


安心する柚太と、そうなった事に対して驚く2人。

交流を兼ねた外出と聞き彼らの頭に浮かんだのはやはり蛍人の事。

合同と言う事は里緒もいる。里緒は蛍人にとって過去を掘り返す存在。一緒にいて大丈夫なのだろうか、と。


「もしかして湯浅の事を思ったか? 俺もここまで来る途中でそれ考えたんだ。
でも大丈夫だろ? また守れないんじゃないかと言う恐怖を拭って笹原助けたし、少しは成長していると思うけど」


付け加えて“ちょっとはアイツ信じてやらないと”と、柚太は暢気にも聞こえる口調で言う。

後輩の事も信じてやれないなんて先輩失格だと思ったのだろう。旭はその柚太の言葉を大きく納得する。