「そんなに喜んでくれるなら、嬉しいです」


大はしゃぎの佐和に対し、里緒は笑いながらに話す。その願いにした本当の理由を告げずに。

交流と称したお出掛けの日程はまた後日決める事とし、そこで集まりは解散となる。

それぞれが色々な思いを胸に中庭から立ち去って行ったのであった。





「おっ」

「柚太先輩がここにいると言う事は……」

「お開きになったんですね。いつの間にか」

「ああ。遠山はともかく、榊は知っていると思っていたんだがな」

「予知は突然いつ来るか分からないので」


寮の入り口で蛍人の荷物を持った柚太と、蛍人を送り届けた旭と奏が鉢合わせになる。

そこで柚太は蛍人の事を、2人はその後どうなったのかを互いに聞き、教え合う。