“少しは会長同士仲良くやらないと”と里緒は言うが、実際の所はそんな事はどうでも良いようだ。


「ダメですか? でもダメと言われても願いは願いなので貫いて貰いますよ?」


仲良く出来るかと言わんばかりに睨む会長2人。そんな2人に里緒は“ふふっ”と小悪魔的な笑みを浮かべる。

その笑顔は例えるならば先程、柚太に笑顔で悪態を吐いた奏の笑顔に似ていた。

奏のあの時の笑みには逆らえなかったかのように、この里緒の笑みにも彼らは逆らえず……。


「了解……」

「たまには、だから我慢するか……」


互いの会長はそれぞれそう漏らす。

また出掛けられる機会が得られた事を喜んだ佐和は、興奮のあまり高く飛び跳ねた。

恐らく屋上までひとっ飛びするくらいの高さまで飛んだだろう。