それなら良いと思うよりも先に、

初めてふられたという事実に柚太は改めて里緒が魔性の女だと思い知らされるのであった。


「ところで……そちらの最後のお願いは何になさるのでしょうか?」


話題を切り替えるかのように咲が本題へと戻った。

ああ、そう言えばとその場にいた里緒以外の全員がハッとする。

普通科生徒会メンバーの視線は里緒にあった。

彼女にはどうしても叶えたい願いあると全員は聞いていたからだ。


「私の願いは……たまには生徒会同士仲良くどこかへ出かけましょう!」


構うなと言う願いを言われてしまった里緒にとって出来る、

唯一の蛍人と関わりあえる可能性のある願いであった。