「良い質問だね! 答えは2つあります。1つはこの学校を作った人が何故か勝手に決めた事だから。
もう1つは特別科も遠足だと、もし力を使っちゃったらその辺を歩いているおじいちゃんとかが驚いて、昇天しちゃう危険性があるからです!」

「要は古瀬先輩のようにカッとなって壁を破壊した時、今回みたいに対処しきれないからだよ」


佐和のノリノリの回答に奏がそっと言葉を付け加えた。それに対し更に旭も、


「咲とかオレ、奏みたいなのだったらまだ使ってもばれないけれど、
脚力のある佐和先輩、怪力な柚太先輩、念力使いの蛍人の場合、何も知らない人の前でそれを使ったら驚くだろう?
佐和先輩が飛び降りた時みたいにな。まあ流石に昇天するまで驚く奴はいないと思うけど」


と。佐和が“そんな事ないよー”と旭の言葉を否定しつつも、ショックから漸く立ち直った柚太が話を先へと進めた。