その近くでは柚太の大爆笑が聞こえて来る。調理室全体に響くような声だ。


「お、おま……何でそんなミニなんだ……わ、笑わせるな…………」

「ち、違う! これはただサイズが合わなかっただけで……」

「そうかそうか、それで世のオッサンどもを悩殺するって訳か……」


アリス姿の柚太の横にはミニのナース服姿の郁人。

柚太はそのナース姿が妙におかしかったのだろう。

柚太の隣のチェシャ猫姿の蛍人は、無表情でその姿を眺めていた。

郁人からすれば恐らく柚太の反応よりも耐えられない反応だろう。


「きっと自分がミニを履きたくなかったからなんだろうなあ……」

「奏?」

「いや、何でもない……そろそろ真山先輩達と合流しなくて良いの? 最終チェックとかで」


徒競走の時の事を思い出し、奏はただ郁人を見てポツリと呟いた。