その言葉に横村は空返事で答える。その声は若干震えているようにも感じる。


((お気の毒に……))


他の馬2人は横村を哀(あわ)れんだ。柚太が真剣に闘志をメラメラと燃やしているだけに、

誰も何も“無茶だ”等の否定的な言葉は吐く事はなくただ柚太に従うだけであった。


「よし! 2年が決勝に行ったんだ。年下が出来て俺達が決勝に行けないなんて事はないよなあ?
ここは何としてでも決勝に進むぞ! 打倒バカ眼鏡会長だ!」

『お、おぉー?』


気合を入れる意味で柚太はF組全体に叫ぶ。

更にやる気を見せると思いきや、最後の一言に全員が戸惑いを覚えた。

だがやはり柚太は何時になく真剣だったので、誰も何も言えずじまいに終わった。